(台北中央社)中国が、禁輸している台湾産の農水産物の輸入を再開する姿勢を示している。これに対し、台湾で対中政策を担う大陸委員会の邱垂正 (きゅうすいせい)主任委員(大臣)は17日、農水産物は統一戦線工作の道具と化していると指摘し、農漁業者をリスクにさらすべきではないとの考えを示した。
中国・福建省アモイで13日、中国と台湾の交流イベント「海峡フォーラム」が催された。その中で台湾に対する優遇措置の「契約調印式」があり、中国が台湾からの輸入を停止している果物アテモヤや養殖魚ハタなどの購入に関する内容が盛り込まれた。同フォーラムには野党・国民党の饒慶鈴(じょうけいれい)台東県長がビデオメッセージを寄せた。
邱氏は17日、立法院(国会)内政委員会前に報道陣の取材に応じ、今回の海峡フォーラムで中国が輸入を許可するとした農水産品には明らかな政治的前提が含まれていると言及。一つの中国を巡る「92年コンセンサス」の堅持や台湾独立反対という中国側が主張する政治的基礎の下でしか中国への輸出は認められないとし、政治的前提がある以上リスクが伴うと述べた。
農業部(農業省)も16日、報道資料を出し、中国は台湾の農産品にとって長期的によりどころとなる安定した海外市場ではないと言明。中国市場は非常に不確実で、リスクも高いとし、台湾にとって対中輸出に利益はない上、産業全体にとってマイナスとなり、不確実性は農家に損失をもたらすとの立場を示した。
▽中国による台湾の農水産品輸入停止
中国は2021年以降、台湾産パイナップルを皮切りに、複数の農水産品の輸入を相次いで停止した。中国側は害虫や検疫上の問題などを理由としているが、台湾では政治的圧力の一環だとする見方が強い。民進党政権は他国市場の開拓を強化し輸出先の多角化を進めることで、中国依存の低減を図っている。