(ワシントン中央社)中国による台湾への軍事的脅威が高まる中、四足で動く「ロボット犬」の開発が中国で進められている。米国の専門家は、台湾上陸の際の偵察や物資の運搬など侵攻初期に投入される可能性を指摘。ロボットの登場により台湾侵攻の政治的コストが下がると中国政府がみなす恐れもあるとし、台湾に多層な防御システムの構築を呼びかけた。
米ワシントンのシンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)のシニアチャイナフェロー、クレイグ・シングルトン氏が14日までに、中央社のインタビューに応じた。
▽ ロボット犬投入で兵士の温存可能に シングルトン氏「戦争初期の流れ変えた」
シングルトン氏によれば、中国が開発を進める犬型ロボットの大きさは大型犬ほど。カメラやセンサー、コンピューターなどを搭載し、物資の運搬や武器の配備、地形探査の他、集団行動が可能なものもあるという。人民解放軍が軍事演習に導入する様子が中国国営メディアで報じられており、「中国軍がどのように実戦投入するかテストしている段階にあることを示している。その主なターゲットは台湾だ」とシングルトン氏は警鐘を鳴らす。
台湾侵攻の開始から数時間内には上陸作戦や市街戦などで激しい戦闘が繰り広げられるだろうとし、ロボット犬の導入で、兵士ではなくロボット犬を最前線に投入できるようになると予測。解放軍は最も高リスクな段階で兵士を失わずに温存できるとし、ロボット犬の登場は潜在的な戦争初期の流れを確かに変えたとの見方を示した。
ただ、ロボット犬の登場によってリスクが完全にゼロになるわけではなく、リスクが再分配されたにすぎないと考えるべきだと分析する。台湾侵攻における第一波のリスクをロボットに負わせることができるとなれば、中国政府は戦争初期の人的損失という政治的コストが下がったとみなす可能性があるとし、これが台湾にとって、対ロボット技術が抑止力として極めて重要となる理由だと訴えた。
▽ 電波妨害や対ロボット演習 多層な防御システムの構築必要
台湾に必要なこととして、偵察や電波妨害、電子戦、都市における対ロボット演習など多層な防御を挙げた。
ロボットはセンサーや通信に高度に依存することから、迅速に無人地上システムを発見、識別する能力の向上に対する投資を台湾は進めるべきだとの見解を示した。
電波妨害によって敵軍のロボットのナビゲーション機能や通信を妨害することで、多数のロボットシステムを無力化させたり、能力を低下させたりすることができると説明。多層な防御システムを構築することで、一部で突破された場合でも直ちに別の手段による補完が可能となると述べた。
▽ ロボット対策「危機発生前に全て完了すべき」 台米間で意識共有を
台米間の連携においては、米国は信頼できる台湾のロボット企業とのパートナー関係を強め、台湾の対ロボットシステム能力の向上を支援し得ると提言した。最も重要なのは「ロボット技術は開戦初期における要素の一つで、全ての準備が危機発生前に完了しているべき」との仮説を台米間で共有することだとも語った。
台湾は世界で最も高品質で先進的な半導体の製造ルートを持つと触れた上で、台湾内のロボット関連企業と半導体製造企業をうまく統合できれば、中国より先進的なロボットを開発できる可能性もあるとした。