(東京中央社)中国・福建省に近い離島の馬祖列島に伝わる切り絵アート「剪花」の特別展「剪花・綻放 華やかに咲き誇る台湾・馬祖列島の切り絵アート展」が2日、東京・虎ノ門の台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)台湾文化センターで始まった。伝統と現代美学を組み合わせた作品を手がけるアーティストの陳治旭さんは、支え合う台日の友情をアートを通じて発信したいと語った。
同センターが台湾の離島の文化やアーティストをテーマにした特別展を開催するのは初めて。周学佑(しゅうがくゆう)副代表は開幕式で、馬祖は独特の自然景観や豊かな文化があり、剪花は現地で世代を超えて継承されてきた重要な民間芸術だと紹介。馬祖の女性はかつて、剪花に家族の幸せや無病息災の願いを込め、暮らしの中に取り入れていたと説明した。
また馬祖列島が行政上属する連江県の王忠銘(おうちゅうめい)県長はビデオメッセージを寄せ、剪花は節句や婚礼、信仰文化と密接に結び付いた馬祖の重要な文化資産だと強調。日本の人々にも、馬祖を訪れ、集落の文化や戦地だった歴史を伝える景観、島の風情を体験してほしいと呼びかけた。
キュレーターの洪榆橙さんは、今回の特別展を通じ、日本の人々に馬祖の剪花が持つ地方文化の美しさや精神、生活の知恵を知ってもらいたいと語った。
約30年にわたり剪花の研究と創作活動に取り組んできた治旭さんは、東京での展示は自身の長年の夢だったとし、実現できてうれしいと喜んだ。また伝統的な作品に加え、自身が特別展のために手がけた新作が出品されていると紹介した。
会場では、「台」と「日」の字を組み合わせたデザインをコンセプトに、台湾を象徴する梅の花や台湾本島の形、日本を象徴する桜の花などを取り入れ、互いに助け合う台日の友情を表現した治旭さんが手がけた記念バッジが来場者に贈られた。
台湾文化センターの曽鈐竜(そけんりゅう)センター長は、多くの人に台湾各地に足を運んでもらい、それぞれの地域にある文化の特色を感じてほしいと話した。
展示は7月17日まで。治旭さんの現代的な作品の他、劉英嬌さんや邱蓮嬌さん、劉嫩妹さん、李賽金さん、陳銀銀さん、陳梳金さん、陳賽嬌さん、林春蓮さん、陳英梅さんらの伝統的な作品を展示。伝統と現代の対話の形で剪花の独特な文化的文脈とアートへの発展を紹介している。