(台北中央社)自身が勤める台湾企業の上司や同僚を「中華人民共和国の法律に違反した」として中国当局に告発するなどした台湾在住の中国人配偶者が、8月に台湾の身分と戸籍を取り消されていたことが30日、分かった。
台湾で対中政策を担う大陸委員会の沈有忠(ちんゆうちゅう)副主任委員(副大臣)が同日午前の立法院(国会)外交・国防委員会での答弁で明かした。
委員会で与党・民進党の王定宇立法委員(国会議員)は、パソコン大手、華碩電脳(ASUS、エイスース)の労働組合所属の中国人配偶者、銭麗氏が、上司や同僚の行為を中国の法律に照らしたり、告発したりしていたと指摘した。
また銭氏が、中国の法律に違反したとして台湾の人々を告発、脅迫した他、フェイスブックで「中国人民解放軍」と名付けたグループを運営し、中国による台湾の武力統一を鼓吹していたとも言及。これらが今年4月から5月にかけてメディアに取り上げられたとした上で、大陸委員会として対処したかを沈氏に質問した。
沈氏は、関連する部会(省庁)で議論を重ね、8月25日に内政部(内務省)移民署に対し、銭氏の台湾の身分と戸籍を取り消し、「居留」の資格に戻すよう依頼したと述べた上で、同28日には取り消しが行われたとした。