(高雄中央社)南部・高雄市のベンチャー企業、ハイドロゲン・バレー・パワー(氫谷動能)が開発・製造した台湾初の国産水素バスが、フランス・パリで来年開催される水素関連の展示会「Hyvolution」で出展される見通しだ。同社の鄭英豪董事長(会長)は30日、台湾には水素エネルギー車両の自主開発力があり、製品も費用対効果に優れているとアピールした。
同社によると、国産水素バスは環境に配慮した交通を実現する台湾の夢を担い、高雄の地元企業が持つ最先端技術の実力を示すものだという。審査基準が厳格とされるドイツで水素エネルギー関連の国際認証を取得する方針も示した。
この日は高雄市議会で関連の式典が開かれ、複数の市議らが出席した。鄭董事長は、水素バスの国際的な価格は現在約2000万~3000万台湾元(約1億~1億5000万円)なのに対し、同社製の価格はわずか約1350万元(約6800万円)だと優位性を強調した。
また取材陣に対し、フランスでの展示会には台湾で唯一の完成車メーカーとして参加すると説明。台湾の水素エネルギー技術と製造力が国際水準に達していることを世界に示すとした。
ドイツでの認証取得については、台湾の水素バスとしては初めて完成車の試験を行うとした上で、設計と安全性能が欧州や国際市場の厳格な基準を満たすことを確認し、将来の世界的な商業展開につなげる考えを示した。
その上で、水素バスは従来のディーゼルバスと比べ、二酸化炭素(CO2)を排出せず、微小粒子状物質「PM2.5」などの汚染物質も発生させないため、CO2排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」に大きく寄与すると紹介。国内外での認証取得後、2027年の第1四半期(1~3月)にも地方自治体やバス会社と連携し、モデル路線の運行プロジェクトに取り組む意欲を示した。