(台北中央社)花蓮県富里郷学田村の村長が7日までに、中華人民共和国の国籍を保持しているとして国籍法違反で職を解かれた。内政部(内務省)が郷公所(役場)に対し、国籍法に基づいて対応するよう求めていた。台湾で対中政策を担当する大陸委員会は7日、国籍法では公職就任から1年以内に他国の国籍を放棄しなければならないと定めているとし、内政部の対応は法にのっとったものだと説明した。
解職処分を受けたのは中国・四川出身の鄧万華氏。台湾人の配偶者として台湾に居住し、2022年に学田村村長に初当選した。内政部は今年1月、全国で5人の現職村長や里長(町内会長)が中国籍を有していることを把握し、各自治体に対して対処を求めていた。富里郷公所は今月1日、鄧氏を解職処分にした。効力は就任日にさかのぼって発生する。中国籍保持を理由に村長が解職されるのは全国で初めて。
大陸委の梁文傑副主任委員兼報道官は7日の定例記者会見で、公職者には単一の忠誠が求められるとし、他国籍の保持が発覚した場合には国籍放棄の証明を提出する必要があると説明した。
また、中国籍保持が発覚した公職者が陳情を続けていることに触れた上で、現時点で中国籍の放棄を実際に申請した人は確認できていないと言及。「誰も申請していないにもかかわらず、『放棄できない』と言い続けるのは必ずしも良いやり方ではない。まずは試してみるべきだ」と述べた。
鄧氏は3日、自身の中華民国旅券(パスポート)を公開し、自身が保持しているのは台湾旅券であり、法にのっとって当選したと主張。解職を不服とし、訴訟を起こす考えを示した。