(台北中央社)南部・屏東県の恒春半島で30日、第二次世界大戦中の旧日本軍戦没者の遺骨収集に向けた試掘作業が終了した。日本政府の委託を受けた団体による調査で、遺骨の発見には至らなかったが、木炭などが見つかった。同団体は試掘結果を分析し、今後の調査の可能性について検討する方針だという。
調査を主導したのは、日本政府の委託を受けた「日本戦没者遺骨収集推進協会」で、台湾電力第3原子力発電所放水口付近で今月20日に始まった。
同地には1944年、バシー海峡で米軍によって撃沈された旧日本軍の揚陸艦「玉津丸」の犠牲者が多く漂着したとされる。当時の地元住民の証言や史料によると、流れ着いた大量の遺体は、現在の放水口付近にある岩場の溝で集中的に火葬されたという。調査では、約2メートル四方の範囲を2カ所、手作業で掘り進めた。
同協会の派遣団長を務める井上達昭さんによると、遺骨そのものは見つからなかったものの、木炭や焼けた物質が確認された。井上さんはこれらが遺体を火葬した形跡の可能性があるとの見方を示した上で、今後の調査に向けた手掛かりになればと期待を寄せた。
今回の作業には、約10人の台湾人ボランティアが参加した。井上さんは台湾の人々の熱意ある協力が最も印象に残ったと語った。
同県在住で、7年前から戦没者の遺骨に関する調査に携わってきた舘量子さんは、遺骨の発見につながらなかったことに無念さをにじませつつも、作業に加わった台湾の人々に感謝した。また、この活動がより高いレベルで関心を集め、さらなる調査が実現することを願った。
同地は墾丁国家公園内に位置し、すぐそばにはサンゴ礁がある。同公園管理処は今回の調査に対し、人道的、文化的、歴史探究の観点から歓迎したとしつつ、環境保護のため、大規模な掘削ではなく手作業による試掘を認めたと説明。何らかの発見があった場合、今後の対応を改めて検討するとした。
同地は30日、作業を終えた後、全ての土が埋め戻された。