(台北中央社)内政部(内務省)消防署(消防庁)は30日、ミャンマー中部で発生した地震を受けて結成した特殊捜索救助隊の待機を同日夜をもって解除したと発表した。一方で台湾で暮らすミャンマー人からは、ミャンマーの軍事政権が台湾の救助隊を受け入れないのは理解できないとの声も上がっている。
台湾は地震発生当日の28日に120人規模の救助隊を結成し、ミャンマー、タイ両国政府からの要請に備えて待機していた。消防署は30日時点で、被災地ですでに13の国際救助隊が活動している他、さらに13の救助隊が動員中で総合的な救助能力には問題がないと判断したと説明。待機していた隊員は通常の勤務体制に戻った。
待機解除のニュースが流れると、SNS上ではミャンマー人ユーザーによって、台湾が支援の手を差し伸べようとしたことへの感謝と共に、軍政が中国の救助隊を被災地入りさせた一方で、経験豊富で災害救助に長けている台湾の救助隊を受け入れないのは理解できないなどとする声が相次いで投稿された。
暨南国際大学(中部・南投県)に通うミャンマー人の大学院生は31日、中央社の取材に応じ、軍政の事情で台湾の救助隊が被災地に入ることができていないと聞いているとした上で、ミャンマーにはまだ助けが必要な場所が多くあり(軍政のやり方は)理解不能だと吐露した。
この学生は30日に現地の友人と連絡を取り、いくつかの場所ではすでに遺体の臭いが漂っていると知ったと明かす。人手が足りずに救出が間に合わなかったのだろうとし、台湾の救助隊が被災地に向かえないのは本当に惜しいことだと話した。
台湾師範大学(台北市)に在籍する海外出身学生でつくる団体の会長を務めるミャンマー出身の廖明東さんは、親戚や友人にも犠牲者がおり、ミャンマーは助けを非常に必要としていると強調。多くの人がいまだ倒れた建物の中に閉じ込められていて1分1秒と時間が経つうちに貴重な命が失われているとし、重機や救助隊の必要性を訴えた。