(台北中央社)前台北駐日経済文化代表処代表(大使に相当)の謝長廷(しゃちょうてい)総統府資政(顧問)は28日、高市早苗首相の台湾有事に関する国会での発言を巡り、一部で「台湾も迷惑だ」などと主張する声が上がっていることについて、「理解に苦しむ」と述べた。
台北市内のホテルで開かれた日本の水産品支援に関する記者会見に出席した謝氏は報道陣に対し、高市首相の発言は、台湾海峡がすでに封鎖され、中国軍艦が進入し、中国との話し合いができない段階での話だとの認識を示し、その際には中国は台湾だけでなく、フィリピンや沖縄にも攻撃が可能で、隣国の存立危機に当たると語った。
また「台湾の問題は台湾人が対岸(中国)との話し合いで解決すべきだ」などとする主張に関しては、台湾有事と時系列が異なるとし「理解していないか悪意があるかのどちらかだろう」と述べた。
会見で謝氏は、頼清徳(らいせいとく)総統が20日、日本産のブリとホタテなどを使ったすしを昼食に食べたとする写真を交流サイト(SNS)に投稿したことに触れ、駐日代表だった2021年に安倍晋三元首相が、中国が輸入を禁止した台湾産パイナップルを称賛する写真をSNSに掲載したことを思い出したとし、「これこそが善の循環だと思った」と語った。
さらに、政府間の見解が異なっても、人民を制裁すべきではないと強調した。
