(慶州中央社)アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が1日、韓国・慶州で閉幕した。台湾代表として出席した元行政院副院長(副首相)で総統府資政(顧問)の林信義(りんしんぎ)氏は同日、高市早苗首相と会談し、台湾と日本が人工知能(AI)やデジタル貿易などの分野で協力を深めることに期待を寄せた。
APEC台湾代表団の発表によれば、約20分にわたる会談で両氏は、台日が基本的価値を共有し、互いにとって緊密な経済・貿易関係や人的往来を有する重要なパートナーで大切な友人であることを再確認した。その上で双方の友好関係が引き続き深まることを期待した。
高市首相は、台湾海峡の平和と安定を重視する日本政府の立場を改めて表明するとともに、9月に東部・花蓮県で大規模な洪水被害が起きたことを踏まえて見舞いの言葉を述べた。また幅広い分野での台湾との実務協力の強化を期待し、台湾による国際機関への有意義な参加を支持するとした。
これに対し林氏は感謝を示したほか、日本と共同でインド太平洋地域の繁栄と安定した発展に取り組んでいきたいと意欲を見せた。
林氏はこの日、米国のベセント財務長官とも約40分会談し、技術協力やサプライチェーン(供給網)の安全保障などについて意見交換を行った。
林氏のAPEC首脳会議出席は、2年連続3回目。昨年のAPECでは当時の石破茂首相とも会談した。