台北市動物保護処は15日、外来種アフリカクロトキの新たな繁殖の記録や拠点は確認されなかったと発表した。今年の繁殖はゼロとなり、台湾の自治体として初めて防除の目標を達成したとした。
同処によれば、アフリカクロトキは台湾で天敵がない上繁殖力が強く、餌や生息地を巡って在来種との間で競争が起き、台湾の生態系に大きな影響を及ぼしているという。
同処は2020年から農業部(農業省)林業・自然保育所と連携し、アフリカクロトキの長期的なモニタリングや管理を行うことで群れの分布や動向を把握してきたと説明。河川や湿地、川沿いの地域で個体数の統計や調査などを進め、昨年12月31日までに合わせて274羽を駆除した。
今年度の調査でも新たな繁殖は確認されず、中央政府と地方自治体の協力によって防除の具体的な成果が出たとした。
また同処は、毎年外来種の監視、防除に関する教育訓練などを定期的に実施しており、科学的なモニタリングと生態教育を並行し、市民に外来種が生態環境に及ぼす影響への理解を深めてもらうよう努めていくとの姿勢を示した。


