(台北中央社)8月29日に立法院(国会)に送られた来年度の国防予算(公開版)で、米国から売却される対戦車地雷散布装置「ボルケーノ」14組やMQ9B無人攻撃機2機などが2026年に台湾に到着することが分かった。国軍の戦力が大幅に強化される。
中国は近年、台湾に対する「文攻武嚇」(言葉で攻撃、武力で威嚇)を続けており、航空機や艦艇を中間線を越えて進入させたり、台湾周辺で軍事演習を行ったりして周辺地域の平和や安定に重大な影響を与えている。これに対し台湾は訓練の強化や改革に加え、国産装備の開発や対外調達を進め、潜在する脅威に備えている。
26年に台湾に到着するのが分かったのは、ボルケーノやMQ9Bの他に、24年から納入が進んでいるM1A2T戦車「エイブラムス」の最終ロット28両や、F16V戦闘機「ブロック70」用のMS110機外携行型センサーポッドの最終ロット5台、MK48大型誘導魚雷の訓練用魚雷4発。
ボルケーノは当初、23年から2回に分けて納入される予定だったが、米側の遅延により26年にまとめて到着する。
地雷散布装置の導入に当たってこれまで、台湾が「地雷の島」になるとの批判が一部から上がっていた。これに対し陸軍は、導入は戦時に沿岸部で敵の装甲車両を阻止するためだと繰り返し説明。タイマーによる自爆機能や磁気を感知しての作動、識別や除去の容易さを備えている上に、広範囲・長期間にわたって設置するものでもないなどとして、自軍や民間人が誤って触れて被害を受けることは避けられるとしている。