南部・台南市で歴史ある廟(びょう)に残る彩色画や粘土を使った泥塑工芸の修復が進んでいる。民間信仰の中心であり、歴史や文化を伝える廟を守るため、同市は2025年から修復を支援する補助制度を開始。初年度は西華堂、海尾朝皇宮、東門伍佛堂の3カ所で修復が完了し、長年の風雨で傷んだ作品が往時の姿を取り戻した。
西華堂は市指定の古跡に登録されている。ここでは、参拝者が祈りをささげる拝殿や左側の脇殿正面に施された彩色を修復した。日差しや風雨の影響で色が剥がれ、絵柄が分かりにくくなっていたが、修復によって、繊細な色彩の重なりや伝統建築ならではの荘厳な雰囲気がよみがえった。
海尾朝皇宮では、正殿の壁画4枚などが修復された。長年の線香の煙によって黄ばみやひび割れ、色あせが進んでいた。壁画は台南を代表する画師、蔡草如の作品。作者本人の署名が残る彩色画は海尾朝皇宮を含め、わずか2カ所のみとされている。
東門伍佛堂では、門に描かれた守護神「門神」の彩色画を清掃・修復し、往時の色彩と表情を復元した。調査により、台南の画師、王妙舜の作品であることも確認され、修復後には作者の落款が追記された。
同市は、今後も補助制度や専門的な修復体制を通じて、寺廟に残る貴重な伝統技術の保存を支援していく方針。