(彰化中央社)中部・彰化県田中鎮で5日、日本統治時代から残る歴史建築「旧台中州農会田中倉庫」で行われていた修復工事の完了を祝う式典が開かれた。アート空間として生まれ変わった同倉庫では今月中旬、台湾各地から招いた陶芸家105人による展示会が催される予定で、80年以上の歴史を持つ木造建築が現代の陶芸作品で彩られる。
彰化県文化資産網によれば、田中は日本統治時代、彰化地域におけるコメの集散地とされ、集められたコメは田中から南部の高雄や北部の基隆へと鉄道で輸送されていた。同倉庫が建てられた時期は1939~40年ごろと推定され、鉄道で運ばれてきた肥料の材料を混ぜ合わせ、包装、保管後、農家へと供給する役割を担っていた。
同倉庫が歴史建築に登録されたのは、2005年。今回は、園区内にある7棟のうち、4棟が修復された。式典に出席した王恵美(おうけいび)彰化県長は、日本統治時代後期を代表する農業倉庫だと説明。屋根には少ない柱でも広い空間を確保できるトラス構造が採用されており、台湾内で貴重な日本式建築だと語った。
文化部(文化省)文化資産局の粘振裕副局長は、修復完了後の運営こそが鍵だと指摘。新たな空間が文化クリエーティブ園区や若者の創業拠点などとして活用されることに期待を寄せた。
同倉庫は県農会(農協)から委託を受けた業者が、芸術や植物、手作り体験などを掛け合わせたアート空間として運営する。オープンに合わせて企画された展示会は14~16日の日程で催され、数千点の作品展示を通じ、台湾の多様な陶芸文化を示すという。陶芸体験や生け花体験なども開かれる。