(新竹中央社)公的研究機関、工業技術研究院(ITRI)は1日、国立故宮博物院と共同で、台湾の名画48点にAI(人工知能)動態生成技術と高精細ディスプレー技術を融合させ、時空を超えた都市の風景を描き出した。超高層ビル「台北101」や花火、ICチップなどの要素をはめ込み、幻想的な風景に人々をいざなう。
ITRIによれば、日本統治時代に活躍した陳澄波や郭雪湖、黄土水ら台湾の代表的な芸術家が描いた風景や人物をAI動画生成技術を用いて動かし、現代の要素を入れ込んだ。ITRIが開発したAI技術によって従来は困難だった部分を克服し、細やかな筆致や顔料の質感を8K高精細ディスプレーでリアルに再現することに成功した。
ITRIは、今回の故宮との連携はコンテンツ制作における生成AIの実力を示すだけでなく、文化財と深く結び付いた革新の手本だと紹介。科学技術は補助的な役割を担うだけでなく、文化の創作媒体になれるとし、今回の取り組みは絵画のアニメーション化ではなく、物語を発展させ、歴史と現代の対話を表現したとしている。
ITRIと故宮が共同で手掛けた「故宮AIギャラリーー都市の絵巻:時代を超えた風景」は、大阪・関西万博の「テックワールド館」で展示されている。