国家音楽ホール(台北市)と衛武営国家芸術文化センター(南部・高雄市)で、今年のショパン国際ピアノ・コンクールの優勝者によるコンサートが12月に開かれる。コンクールは20日までポーランドの首都ワルシャワで行われ、21日、高雄市出身の父を持つ米国人華僑のエリック・ルー(陸逸軒)さんの優勝が発表された。
ルーさんの母は中国・上海出身。本人は米国で生まれ育ち、同コンクールでの優勝経験があるダン・タイ・ソンさんらに師事した。繊細で多層的な音楽表現を兼ね備え、高い技術や歌心を兼ね備えていると評価されている。
コンサートを主催するバッハ・インスピレーション代表の梁秀玲さんは21日、中央社の取材に応じ「ルーは古い時代に生きているかのような、老いた魂を持つ現代人だ」とコメント。「私たちはコンサートの売り上げや人気を追い求めがちで、クラシック音楽の核心である人の心を揺さぶる芸術性を忘れがちだが、ルーの音楽はその大切さを思い出させてくれる」と語った。
コンサートは12月17日に衛武営国家芸術文化センターで、18日と19日に国家音楽ホールで開催。18日はコンクール本選でも披露したショパンの幻想ポロネーズとピアノ協奏曲第2番を演奏する。オーケストラはエバーグリーンシンフォニー(長栄交響楽団、后正宇指揮)。チケットは衛武営文化センター開催分は完売、国家音楽ホール開催分はチケット販売サイト「OPENTIX」で10月22日正午(台湾時間)に発売する。