(台北中央社)中部・台中市の養豚場で死んだブタから家畜伝染病「アフリカ豚熱」(ASF)の陽性反応が出たことを受け、卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は22日午後、農業部(農業省)などに対して水際検査や密輸取り締まりの強化などを指示した。
卓氏は農業部や衛生福利部(保健省)など複数の部会(省庁)や鄭麗君(ていれいくん)行政院副院長(副首相)らを招集して会議を実施した。
冒頭で卓氏は、①発症の原因確認と感染源の特定といった疫学調査の確実な実施②冷凍肉の放出を調整して市場への安定供給を図る。特に学校給食を優先する③台中市に前線対策所を設置して最高基準で対応する④最新かつ正確な情報を迅速に説明して国民の不安解消を図るとともに、必要な通報を行い国際的義務を果たす─の4項目を農業部などに指示したと述べた。
さらに、農業部に対しては有効な感染拡大防止策を策定し、徹底するよう求めたと言及。政府として防疫の重要過程を全て再確認するとした上で、特に水際検査や密輸取り締まり、肉製品の検査頻度を強化すると語った。
台湾でASF疑い事例が発生するのは今回が初めて。台中市の養豚場でブタが相次いで死亡したため、21日に死んだブタから抽出したウイルス核酸を検査したところ、陽性反応が出た。実際に感染したかどうかは、ウイルス株を分離しての検査の結果待ちとなっている。
ブタの移動や食肉処理、輸出の禁止などの措置が22日から全国で取られている。