(台北中央社)台湾の芸術家がカザフスタンで予定していた展示が、中国からの圧力を受けて中止になったことが21日までに分かった。外交部(外務省)は同日、「強烈に非難する」との声明を発表した。
展示は文化部(文化省)の助成を得ており、カザフスタン国立の博物館で今月12日から来月1日まで行われる予定だった。外交部によれば、台湾のアーティスト8人とキュレーターの王俊琪さんが参加することになっていた。
だが、展示のメインビジュアルに「Taiwan Contemporary Art Exhibition」(台湾現代芸術展)の文字が入っていたことを理由に中国が圧力をかけた。その後、博物館側は「今月11日から1カ月間、改装工事を行う」との理由で展示を中止した。
外交部は、駐ロシア代表処(大使館に相当)が10日、情報を得てすぐに博物館と交渉して改装の延期を求めたものの、博物館側は展示が臨時で追加されたものであるため日程が重なったとし、これに対して謝罪するにとどめたと説明した。
その上で、台湾のアーティストが現地入りした後に、博物館側が改装を理由に展示を中止としたことは明らかに不自然であり、中国の介入は明白だと指摘。芸術文化の交流は政治と無関係であるにもかかわらず、中国が粗暴に干渉して民間の芸術文化活動を阻害したことを強烈に非難するとともに、主催者が中国の威嚇に屈して誤った決定をしたことに対しても強い遺憾の意を表明するとした。