(エリコット市中央社)米メリーランド州エリコット市で開かれている台米間の安全保障などについて話し合う「米台国防工業会議」に出席した与党・民進党の王定宇立法委員(国会議員)は20日、台湾の政府が10月末あるいは11月初旬にも新たな国防関連の特別予算案を提出する見通しだと明らかにした。総額は約1兆3000億台湾元(約6兆4200億円)に上るとし、新防空システム「台湾の盾」(Tドーム)の構築や非対称戦力の強化などを柱とする方針を示した。
同会議は2002年から米台商業協会が主催している。今年は19日から21日まで開催され、約200人が出席した。台湾が直面する国家安全保障上の課題に関する評価や連携体制の構築・パートナーシップによる共同作戦力、潜在的な脅威への対応、軍民協力体制の再編や訓練、電子戦など幅広いテーマで議論されている。
王氏は現地での記者会見で、台湾の安全保障に対するトランプ政権の重視度と要求が高まっていると指摘。また周辺の近隣国家に対する中国の脅威や台湾の自己防衛の意志が強まり、国防に投入する予算が増えていることなどを挙げ、今回の会議でも多くの関心が寄せられていると語った。
新たな国防関連の特別予算は7年を期限とし、4年目までが支出のピークになると説明。①「台湾の盾」の構築②非対称戦力の増強③軍備の充実④軍事物資の国産化-を柱として取り組む方針を示した。
また特別予算によって台湾の安全保障の強化や台米協力サプライチェーン(供給網)の構築だけでなく、台湾の国防産業を育成して軍事物資の自給自足を図り、世界のサプライチェーンの一部になれると述べた。