(台北中央社)インド太平洋地域の安全保障をテーマとした、外交部(外務省)と民間シンクタンク共催の国際フォーラム「ケタガランフォーラム」が4日、台北市内で行われた。中谷元・前防衛相は来賓としてあいさつし、中国で先月、国外の団体や個人も対象とする「民族団結進歩促進法」(民族団結法)が施行されたことに対する懸念を示した。
中谷氏は民主主義諸国の国会議員で構成する「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)日本代表として出席した。
中谷氏は、民族団結法の域外適用がもたらす主権の侵害に強い憂慮を抱いていると言及。中国政府は東京で、台湾で、そしてこのフォーラム会場で語られることについてまで刑事管轄権を主張していると指摘した。さらに「国家の主権と国民の人権が明らかに侵害されている」とし、中国による越境弾圧を治安問題にとどまらせず、国防問題として捉える必要があると主張した。
その上で台湾について「この脅威に最も強くさらされながら、最も強靱(きょうじん)な意思と能力で力強く国際社会の一員として存在し、大きな貢献を果たし続けている」と評価。「日本は最も大きな友情を交わし合う隣国」として、これからも台湾と共に歩んでいく」と話した。
また、中谷氏に先立ってあいさつした林佳竜(りんかりゅう)外交部長(外相)は民族団結法について、実際には権威主義による「赤色テロ」の輸出と越境弾圧に法的根拠を与えるものだと指摘した。中国の法執行機関に恣意(しい)的な解釈の余地を与えており、施行後にはすでに実際の事例が相次いで確認されていると述べた。
また、民主主義陣営はより強固な防衛線を構築し、いかなる形の威圧によっても自由意志が打ち砕かれることのないよう確保するとともに、この長期的な挑戦に対応するため戦略的思考も調整しなければならないと言及。台湾は中国の権威主義的拡張に対抗してきた経験を友好国やパートナーと共有することを望んでいると語った。
頼清徳(らいせいとく)総統も民族団結法に関する懸念を示し「国際社会が団結して対抗すべき悪法だ」と断じた。