 
                  (台南中央社)南部・台南駅周辺で進められている鉄道地下化工事の現場で、清朝時代の道路跡とみられる遺構が出土した。当時の作業員は在来型の精製糖工場が廃棄した「糖漏」と呼ばれるじょうご状の容器のかけらや陶磁器片、サトウキビの搾りかすなどを混ぜ合わせ、路面にしていた可能性がある。
台南市文化資産管理処は30日、東区東門路一帯で遺構や遺物が見つかったと説明。考古学チームの調査で、清朝時代の幹線道路の遺跡とみられることが分かったという。当時沿道には精製糖工場が林立していたとされる。
清朝時代の文献には、製糖業者はくずや汚泥などをその場に廃棄していたと記録されており、製糖業が盛んで道路に甘い香りが漂っていた当時の様子が想像できる。
同処は、遺構の両側は「三合土」と呼ばれる伝統的な混合土で境界が作られており、その間に廃棄物や混合土などを混ぜ合わせたものを突き固めて路面舗装していたと説明。考古学チームは、道路の位置や方向が1875年の地図に記された「牛車路」と一致すると指摘。下層路盤には清朝時代の墓碑が使われており、今回見つかった区間は道光16(1836)年以降に建設または補修されたものだと推定している。
出土した遺構は記録作業が行われた他、保存のために仮移設されたとし、鉄道地下化後に整備される緑道計画に遺構を取り入れ、人々に台南の長い歴史と文化を感じてもらうとしている。

