(苗栗中央社)中部・苗栗県内で行われていた道路拡張工事で、約3200~2000年前の新石器時代後期の山佳文化に属するとみられる遺物が出土した。県政府交通工務処は、作業を一時中断し、緊急の発掘計画を審査のため文化資産審議委員会に送ったとしている。
工事は全長600メートル余りの区間で道路幅を2.5~5.5メートルから12メートルに拡張するもので、今年8月に起工し、来年末の完成を予定していた。
同処土木科の黄哲君科長は、現場が山佳遺跡に近いため、工事発注の際から文化資産保存法に基づく監視を行っていたと説明。施工中に陶磁器や石器の破片が見つかったため、県政府文化観光局に通報して合同での現地確認を実施し、請負業者も作業の一時中断を申請したと語った。
山佳遺跡は1983年に発見され、地元の関係者から大きな注目を集めている。
文化観光局は、これまでに専門家が行った調査範囲を基礎に、地表調査による遺物の分布状況などを踏まえて遺跡の文化資産的価値を評価するプロジェクトを約1年間進めていると説明。試掘現場からは陶磁器や石器など先史文化の文物が出土しているとし、今後の研究などに活用されるとしている。