(台南中央社)台南考古センターが行った南部・台南市の遺跡発掘調査で、堆積した魚のうろこや有機物が出土した。台湾では珍しいとされる先史時代の痕跡とみられ、当時の人々が魚類を処理した際に捨てた皮などが集まって形成されたと考えられている。
うろこなどが出土したのは、南部サイエンスパーク(科学園区)の遊水池ポンプ場建設予定地。初期調査で遺跡が見つかり、同センターが緊急発掘を行っていた。
同センターは、石器や陶器、人骨、東部産の玉器などが出土し、当時の人々が数百キロに及ぶ範囲で物質交流ネットワークを築いていたことを示していると説明。魚のうろこは1メートル以上の範囲に広がっていた。シイラの骨や獣骨、貝殻なども見つかり、多様な生態系の利用の実態がうかがえるとした。
台南市政府文化局は、堆積物が宴会の痕跡なのか、実用的または儀式的な意味を持つのか、今後の研究を待ちたいと期待を示した。
また想像や推測を通じて人々が先史時代の人々の暮らしに寄り添い、台南に対する理解が深まることにつながるとしている。