台湾を代表する音楽賞「第26回ゴールデン・メロディー・アワード」(金曲奨)の授賞式が6月27日、台北市の台北アリーナで行われた。同アワードは、台湾だけでなく中華圏の音楽人から目標とされる権威ある賞で、前年に発表された作品を対象に審査される。今年は応募された449枚のアルバム、計1万2890作品によって26の賞が争われた。前編のレッドカーペット篇に続き、今回は受賞者のコメントをお届けする。
6部門、9項目でノミネートを果たしたジョリンのアルバム「[口丕]」(Play)が受賞。トロフィーを手にしたジョリンは「この場面を想像していました」と目を潤ませ、声を詰まらせた。「チームで作り上げた作品が認められるのは感動的」だと喜びを表現。また、「音楽を作るのは難しい。多くの人に応援してもらいたい」と音楽業界全体に対する支持を呼びかけた。「(元恋人の)ジェイ・チョウ(周杰倫)を下しましたね」との質問には「それがどうしたの」と笑顔でかわす場面もあった。
2003年に最優秀中国語男性歌手賞、2009年に最優秀中国語アルバム賞を受賞しているものの、式でトロフィーを受け取るのは今回が初となったイーソン。「忘れられない経験になった」と話し、トロフィーを大切にしたい気持ちを見せた。式のステージ上ではこみ上げる嬉しさを抑えきれない様子で「謝謝、台湾(台湾、ありがとう)」と叫び、喜びを爆発させた。
最優秀年度楽曲賞に選ばれたのは、ロックバンド「滅火器楽団」(Fire EX.)の「島嶼天光」。同曲は昨年春に起きた“ひまわり学生運動”の応援歌として製作され、当時運動に参加する多くの学生らの心を励ました。メンバーの一人は「この曲は滅火器を代表するだけでなく、新世代の到来を代表する歌となった」と感謝。金曲奨に応募する際、同曲を収録したUSBをタクシーに置き忘れたものの、親切な運転手のおかげで無事手元に戻り、応募ができたとのエピソードも明かされ、会場は爆笑の渦に包まれた。滅火器の金曲奨受賞は、2000年の結成以来初めて。
昨年、最優秀中国語女性歌手賞、最優秀アルバムプロデューサー賞を獲得したペニー・ダイ(戴佩[女尼])率いるロックバンド「仏跳牆」(Buddha Jump)が最優秀バンド賞に輝いた。同バンドは先に発表された最優秀編曲家賞も受賞。その際の取材で最優秀バンド賞への自信について「少しある」と話していたとおりの結果となった。ペニーは「今年は6人一緒に受賞できて喜ばしい気持ちでいっぱい。去年よりももっと円満な感じがする」と笑顔を見せた。予算などの関係で宣伝などもあまりできないため、心を込めて作ったと話すペニー。受賞は「ロトに当たったみたい」だと明かした。予想外のバンド賞受賞にメンバーは「超気持ちいい」と大興奮。ペニーは発表された瞬間「泣きそうだった」という。
3組の兄弟で構成される台湾原住民(先住民)パイワン族のラテン・ラップ・バンド「ボクシング」(BOXING)。デビューアルバム「野生BOXING」は新人賞以外に、最優秀バンド賞、最優秀原住民語アルバム賞など3部門にノミネートされていたものの受賞を逃し、「もう(授賞式の)ステージに立つ機会はないと思っていた」という。メンバーは、同バンドを発掘したアーメイに何度も感謝を述べていた。取材エリアでは「汗と涙が混ざっている」と感動の表情。メンバー同士腕を交互に組んで原住民ダンスを披露し、会場を和ませる一幕もあった。故郷の屏東では祝賀パーティーを行う予定だという。突き抜けた明るいキャラクターが魅力のBOXING。2枚目のアルバムを準備中だということも明かした。
ステージ上で「批判が今の私を作りました」と過去に自身を批判した人に感謝を述べたウィリアムは、取材エリアに来るとジャンプで喜びを爆発させた。受賞スピーチは予め内容を考えていたものの、ステージ上に立つとどうすればいいかわからなくなってしまったと受賞した瞬間の緊張を明かし、取材を受けている最中もずっと興奮した様子を見せていたウィリアム。「赤パンツの効果がありましたね」と話を振られると「そうですね」と顔をほころばせた。
「ステージに立つのは最優秀女性歌手の時だと思っていた」と意外な受賞だったことをユーモア混じりに話したルーシュエン。自身も同曲のMVを気に入っているといい、黄中平監督に感謝を述べた。ルーシェンは以前はあまり肌を露出させることはなかったが、同MVの撮影時にノースリーブの衣装に初挑戦したのをきっかけに、肌を見せるのにも抵抗がなくなってきたという。
今回の金曲奨では、ギタリストの門田英司さんが初アルバム「FLOW」で「演奏類最優秀アルバム賞」を、荒井壮一郎さんがカレン・モクの「不散,不見」で最優秀アルバムプロデューサーを受賞。
台北に拠点を移して約20年になる門田さん。これまでジェイ・チョウ(周杰倫)やS.H.Eをはじめ、多くの有名アーティストのレコーディングやパフォーマンスに参加してきた。「ギタリストなのにステージ上でギターを持っていないのは変な感じ」だと話し、関わってきた全ての人に感謝を述べた。
9月のコンサートを最後に引退することを発表している国民的台湾語歌手、江ケイに特別貢献賞が贈られた。トロフィー贈呈前には、ジェイが自身のデビュー前に江に提供した楽曲「落雨声」をピアノで生演奏。スクリーンには江の功績をたたえるメッセージが映し出され、江の涙を誘った。感動的な雰囲気の中、ステージ上の江が「この曲のおかげで大儲けできた」とユーモアを見せると、会場は和やかムードに一変。江は「この賞を手にできてとても感動している。一生歌ってきたことはそれだけの価値があった」と神妙な面持ちで述べ、自身最後となる金曲奨の舞台に別れを告げた。江がこれまでに獲得したトロフィーは今回を含めると13個に上る。作曲家の陳揚さんにも同賞が贈られた。(ケイ=草かんむりに恵)
(名切千絵)




![「仏跳牆」(Buddha Jump)。受賞作品はアルバム「給[イ尓]看」の収録曲「給[イ尓]看」。2ノミネート中、2受賞と、その確率は100%。](https://imgcdn.cna.com.tw/Jpn/WebJpnPhotos/800/2015/20150703/20150703173135.jpg)








