(台北中央社)韓国が定めた「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」の14日、人権団体、婦女救援基金会は台北市内で記者会見を開き、台湾人慰安婦59人を追悼した他、政府に対し、女性差別撤廃条約(CEDAW)による国際審査の最終見解に応え、女性の人権に関する国家レベルの博物館の設立に向けた準備を速やかに進めることなどを改めて呼びかけた。
同基金会の蔡恩加董事長(会長)は台湾人慰安婦について、忘れられたり、存在を消されてはならない歴史の一部だと強調。同基金会が運営する展示施設「おばあちゃんの家 平和と女性人権館」では慰安婦59人の人生の物語を紹介している他、ジェンダーや人権に関する教育拠点だと説明した。設立から10年の来訪者は14万5000人以上で、うち約2割が外国人だったという。
その一方で、慰安婦の歴史を証言する人々が相次いで亡くなる中、日本政府はいまだ公に謝罪と賠償をしておらず、台湾の学習指導要領に相当する「課程綱要」や教科書でも慰安婦や軍事性奴隷について十分な歴史的文脈が示されていないと指摘。慰安婦の歴史の教育は核心を避けて矮小(わいしょう)化されるべきではなく、国民全体の資産だとし、関連の貴重資料は民間団体が長年にわたり苦労して寄付を募り支えるべきではないとし、国家レベルの博物館の設立準備を訴えた。
また、政府に対し、国連安全保障理事会決議1325号を参考に女性・平和・安全保障に関する国家行動計画を策定し、ジェンダーの視点を備えた全社会防衛強靱(きょうじん)性システムを構築するよう要望。歴史の真相を正視し、慰安婦や軍事性奴隷に関する内容を「課程綱要」の学習目標に盛り込み、中学校や高校の教科書では「慰安婦/軍事性奴隷」と明記するよう求めた。
杜瑛秋執行長も、人権館の10年間の総支出は9225万台湾元(約4億5800万円)に上ると説明。政府の補助金2800万元(約1億3900万円)余りと寄付金2400万元(約1億1900万円)余りを含めても、3000万元(約1億4900万円)以上の財政赤字を抱えているとし、この公共資産を国が引き継ぐことに強い期待を示した。