(台北中央社)米配車大手ウーバーは1日、台北市の北投地区で「バイクタクシー」に当たるサービスの提供を試行的に始めた。「文化体験」として無料で実施している。一方で交通部(交通省)や台北市政府交通局などは同日、違法に当たるとの考えを示した。
ウーバーは同日午前、サービスを午後2時から提供すると発表した。その後、台北市交通局の謝銘鴻局長が取材に応じ、現行法ではオートバイに客を乗せることはできないと説明。ウーバー側から市への申請はないものの、実際に開始した場合は「法令への挑発」だとし、公路法に基づいて取り締まりを行うと述べた。
また、交通部の陳彦伯政務次長も報道陣に対し、現行法ではオートバイを営業用の旅客輸送手段としては認めておらず、ウーバーのビジネスモデルは違法だと言及。「体験」をうたい、料金の収受がなかったとしても、本質的には商業的な営業行為だとの認識も示し、台北市の見解を支持するとした。
記者が実際に北投でウーバーの配車アプリを使用したところ、午後2時時点ではバイクタクシーの選択肢がなかったものの、同4時ごろには選択できるようになった。台北メトロ(MRT)北投駅から新北投駅までの場合、44台湾元(約220円)が特典で無料になると表示された。実際に配車を依頼すると、オートバイの運転手が乗車地点に到着し、乗車できた。
この運転手は、ウーバー側からフードデリバリーの配達員に対し、バイクタクシーの依頼を受けると特典があるとの案内があったため、それに応じたと説明。政府がバイクによる旅客輸送を認めていないことは認識しているものの、この1カ月は無料期間なので処罰される心配はしていないと話した。
この日、北投駅や新北投駅の周辺では、台北市交通局公共運輸処と台北市警察局北投分局の職員が巡回や監視を行っている様子も確認できた。
公共運輸処は、両駅や北投文物館周辺の約5キロ圏内でサービスが提供されていると説明。今後も抜き打ちで取り締まりを実施し、違反行為が確認されれば公路法に基づいて運転手とプラットフォーム(ウーバー)双方を処分するとした。
ウーバーが「文化体験」とする背景には、山がちな地形で温泉地でもある北投地区で、歴史的にオートバイによる送迎文化が形成されてきた点がある。