(台北中央社)台湾の原住民(先住民)族団体「原住民族青年陣線」は20日、野球の国際大会「プレミア12」に出場し、原住民名で注目を集めている選手について、読み方は台湾原住民族パイワン族の言語の発音に沿った「ギリギラウ・コンクアン」であるとして、メディア各社に周知を呼びかけた。原住民族の選手とその命名文化がより正確に理解されることを心から期待するとしている。
ギリギラウ選手を巡っては、一部の日本メディアの放送で漢字表記の「吉力吉撈鞏冠」を基に「キチリキキチロウ・キョウカン」と発音されていた。
原住民族青年陣線はこのことについて「パイワン語の発音とは大きく異なっている」と指摘。できる限りパイワン語の発音に沿った形での放送を求めた。
またギリギラウは個人名であり、コンクアンは家屋の名前だと説明。「個人名を呼ぶときは、個人名のみを用い、家屋名のみで呼称することはありません」とした。さらに、ギリギラウの短縮形は「ギラウ」としながらも、「親しい友人や家族の間で使われるもの」とし、正式な放送での使用を避けるよう提言した。
ギリギラウ選手は、かつては「朱立人」という漢人の氏名を使っていたが、後に原住民名に変更した。日本のインターネット上で話題になっていることについては17日、「(自分の名前の)どこが言いにくいのか分からない」と笑顔でコメントしている。