(台北中央社)米連邦最高裁がトランプ政権による「相互関税」などについて違法判決を出したのを受け、米国との貿易交渉を担当する鄭麗君(ていれいくん)行政院副院長(副首相)は24日、連邦最高裁判決は米通商拡大法232条に基づく関税を対象としていないとし、台米投資協力覚書(MOU)で合意した関税の優遇措置に変更はないと説明した。
台湾と米国は9カ月にわたる貿易交渉の末、台湾からの輸入品に米国が適用する相互関税の税率を従来の20%から15%に引き下げる他、通商拡大法232条に基づく関税での最優遇措置、半導体などの分野の台湾企業による2500億米ドル(約40兆円)の対米投資などで合意。先月15日に投資協力覚書に署名し、今月12日に台米対等貿易協定(ART)を締結した。
一方、米連邦最高裁は20日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく「相互関税」は違法と判断。トランプ大統領は同日、通商法122条に基づき、全世界一律で10%の関税を課す大統領布告に署名し、税率を今後15%に引き上げる方針も示している。
記者会見で鄭氏は、米国側からは現在対応を検討中で、完了次第、台湾を含む貿易協定締結国に通知すると回答があったと明らかにした。台湾として、米国と積極的に意思疎通を図り、台湾が確保した相対的優位性や最優遇措置を維持していくとした。
また、232条に基づく関税は、連邦最高裁の判決とは無関係であり、投資協力覚書で合意した自動車部品や航空機部品などでの関税優遇は変わらないと強調。米国が今後発表するとみられる半導体や半導体派生品について台湾が確保した限度枠内の免税措置や限度超過分に適用される最恵国待遇も変わらないとした。覚書には、232条調査の対象品目が増えた場合には双方が引き続き協議することが明記されていると説明した。
鄭氏は、相互関税の失効を受けて米国が代替関税を打ち出したことについて、米国の関税政策の方向性が引き継がれることを意味すると指摘。その上で、すでに交渉を終えた国家はより良い待遇を得られる余地が比較的大きいはずだとの考えを示した。
政府は台米投資協力覚書と台米対等貿易協定を併せて国会に送る予定だが、米国の関税政策の変化を受けて、手続きが棚上げ状態となっている。鄭氏は、米国との確認が完了次第、影響評価と共に両文書を国会に送付する予定だとした。

