(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は4日までに米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューに応じ、国防について「われわれは最悪を想定しなければならない。同時に最善の準備をする」との立場を示した。
中国が考え得る侵攻行動への準備を加速させる中、中国側の想定スケジュールに関する認識を聞かれた際に述べた。
インタビューはリモート形式で行われ、ニューヨークで現地時間3日に開かれた同紙主催の「ディールブックサミット」で公開された。総統府は4日、インタビュー内容を公式サイトに掲載した。
頼総統は先月26日、2033年までの8年間に防衛費に400億米ドル(約6兆2000億円)を追加投入する国防特別予算を発表した。この理由について、中国の軍事演習が頻繁になっていることや台湾への統一戦線工作、浸透工作の深刻化を挙げ、国家の安全保護に基づき、同時に台湾海峡の平和と安定の責任を果たすためだと説明した。
また、防衛費を増やし、防衛力を高めるとともに、中国への依存を減らし、経済の強靭(きょうじん)性を強化していく考えを表明。台湾の対外投資に占める中国の割合は2010年の83.8%から、昨年には7%前後にまで低下したと紹介した。
頼総統は国際社会に対し、台湾は必ず自分たちの国家を守り、同時に地域の平和と安定を守るという立場を示すとともに、台湾海峡の平和と安定が世界の安全と繁栄にとって必要な要素だと強調する世界各国の指導者に感謝した。