(台北中央社)中国の外務省は24日、習近平国家主席とトランプ米大統領が電話会談を行ったと発表した。習氏は、「台湾の中国への回帰は、戦後国際秩序の重要な構成要素だ」などと主張したという。これに対し外交部(外務省)は25日、中国はカイロ宣言など第2次世界大戦中に交わされた文書などを曲解しており、その目的は台湾を脅迫することだと批判した。
中国外務省によれば、習氏は中国側の台湾問題での原則的立場を伝え、「中国と米国はかつてファシズムや軍国主義と戦った」とし「第2次世界大戦勝利の成果を共に守るべきだ」などと訴えた。
外交部の記者会見で蕭光偉(しょうこうい)報道官は、一貫して米中上層部による対話を注視しているとした上で、米側と緊密に連絡を取り、地域の平和と安定の維持に尽力していると強調。中国側の発表内容からは、意図的かつ一方的に中華民国の主権や地位、関連の史実を歪曲(わいきょく)しようとする姿勢が見て取れると指摘した。
またカイロ宣言やポツダム宣言、戦後のサンフランシスコ平和条約などの文書では、台湾の最終的な政治的地位を定めていないと強調。中華民国台湾は主権を有する独立国家であり、中華人民共和国とは互いに隷属していないとし、これは国際社会が公認する事実であり、台湾海峡の客観的な現状だとした。
その上で、中国側が第2次大戦の史実を故意に歪曲し、関連文書を曲解する行為については米国が繰り返し反対の立場を表明していると説明。米側の関連声明ではいずれも北京が主張する虚偽の法的論述を厳しく突っぱねていると指摘した。
さらに中国は権威主義の拡張という本質に基づき、台湾や日本など周辺国に威嚇や圧力を加えることを繰り返しており、国連憲章が定める、国際関係で威嚇や武力を用いてはならないとする国際法の原則や紛争の平和的解決を核心とした国際秩序に反していると苦言を呈した。
国際社会に対しては、中国による虚偽の論述や法律戦を通じて台湾問題を内政化する行為や台湾への武力行使を合法化しようとするたくらみに警戒を強め、共同で対処するよう呼びかけた。また台湾は一貫してパートナーの国と地域の繁栄を築き、地域や台湾海峡の平和と安定、繁栄を守る意欲を示した。