(ベルリン中央社)蔡英文(さいえいぶん)前総統は10日、ドイツ・ベルリンで開かれた「ベルリン自由会議」で講演し、「強靭(きょうじん)性は民主主義が生き抜く鍵だ」として台湾の経験を世界に伝える意欲を示した。
同会議はベルリンの壁崩壊を記念し、民主主義と自由のための全市的な催しとして開催中の「ベルリン・フリーダム・ウイーク」(8~15日)の一環として行われた。各国の政治家や市民社会のリーダーが参加し、台頭する権威主義への対抗について探った。
蔡氏は「民主主義国家が直面する脅威:自由を守る台湾の経験」と題して講演した。
台湾が数十年間の権威主義体制を経て、民主主義を強固にする段階に入り、今では世界で最も自由で活力のある民主主義国家の一つだと見なされていることに言及した上で、台湾は脅威に直面した際に恐怖に打ち負かされるのではなく、挑戦を強靭性を築く基盤にしてきたと紹介。「強靭性によってわれわれは選挙を守り、パンデミックによる挑戦を乗り越え、情報操作に対抗してきた」と述べた。
また、防衛力強化の取り組みや世界のサプライチェーン(供給網)で重要な位置を占める台湾の半導体産業に触れ、「台湾は喜んで経験を分かち合い、責任を負う。安全保障のパートナーからの支持を当たり前のものとは考えない」と強調した。
その上で、地域の安定と世界の安全は民主主義国家の共通の責任だとし、「防衛力強化のために協力を増大させることは、全ての民主主義国家にとって共通の優先事項だ」と訴えた。