(ワシントン中央社)超党派の米上院議員は9日、台湾周辺の海底ケーブルを守るための法案を提出した。共和党のジョン・カーティス議員は、法案を通じて米国が台湾や同盟国と共に、インフラや主権、自由を保護する明確なメッセージを発信すると述べた。
台湾周辺では近年、海底ケーブルの損傷が相次ぎ、中国の関与が指摘されている。法案には国務省主導による台湾周辺の海底ケーブルの安全性強化▽米海軍と台湾の海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)の連携による不審な活動の監視▽台湾への警戒情報の提供▽ケーブル損傷の関与者への制裁―などが盛り込まれた。
カーティス議員は声明で、グレーゾーン作戦について、直接的な軍事衝突を避けながら、民主主義国家に圧力をかけその安定を破壊すると指摘。米政府に対して台湾のケーブルネットワークの安全性向上を奨励し、広報活動を通じて中国の武力行使とはいえない手段で脅威を与える「グレーゾーン作戦」を可視化した上で対抗を促すとした。
また中国が台湾を孤立させる手段を強化する中、重要ケーブルを損傷させる行為などを見過ごすことはできないと強調した。
ジャッキー・ローゼン議員(民主党)は、法案の目的は台米による海底ケーブルの保護に関する連携の強化や重要インフラ施設を標的とする敵対勢力への制裁を科すことだと語っている。