台湾原住民(先住民)族の伝統的な穀物とされるアワが、学校給食の食材として正式に採用された。今後全国約30校でアワを使ったメニューが提供され、約2万人の子供たちが味わうことになる。
与党・民進党の伍麗華立法委員(国会議員)が農業部(農業省)や教育部(教育省)、原住民族委員会などと共同でプロジェクトを推進し実現した。
25日に北部・新北市の小学校で行われた記者会見で伍立法委員は、アワは文化的価値が高いだけでなく、栄養価も豊富だと強調。台湾の子供たちの健康の助けになると語った。
5月には南部の屏東県や北部の基隆市、台北市、新北市など29校で試験的にアワを使った料理を提供しており、今後はこれらの県市に加え、北部の桃園市、新竹市、南部の台南市、高雄市、東部の花蓮県などでも味わえる。
会見会場には、コーンスープやカレーライスなど、アワ料理5品が展示された。農業部農糧署の黄昭興副署長は、栄養バランスが良いだけでなく、子供たちのアワや原住民文化の興味を引き付けられると語った。
原住民族委員会の杜張梅荘(とちょうばいそう)副主任委員(副大臣)は、アワは原住民の重要な作物であるばかりか、先祖の霊と対話する際の架け橋であり、育成周期はさまざまな儀式や各族の文化と深い関係があると紹介。子供のころは集落で毎日食べていたが、今では環境変化で祝い事の時にしか食べられなくなったと語り、学校給食で提供されることはうれしいと喜んだ。