台湾の生態系に悪影響を与えているとして農業部(農業省)林業・自然保育署(林保署)は外来種のトキ、アフリカクロトキの駆除に力を入れている。よく姿が確認されている地点でデコイ作戦を行い、誘い出された群れを捕獲しようとしている。
アフリカクロトキは主にアフリカに生息し、体長65~89センチ。翼を広げると約124センチに達する。頭と尾羽、足の黒が特徴で、群れを作って集団で生活する習性がある。
台湾ではかつて、個人経営の野生動物園で飼育の管理が行き届かなかったことで、アフリカクロトキが逃げ出してしまい、野外で大量に繁殖したことが発生した。個体数は1万羽に上るといい、台湾固有の生態系への影響が懸念されている。
同署宜蘭分署によれば、林保署は2019年に猟銃によるアフリカクロトキの駆除計画を開始。これまでは北部の台北市、新北市、基隆市で計1140羽を防除した。生き残ったアフリカクロトキの警戒心が強くなったのに合わせ、林保署はトキの飛来を誘う実物大模型「デコイ」を設置するなど駆除法を調整した。長年の努力が実り、野外での個体数は現在、100羽を下回ったという。