アプリで読む
ダウンロード

台湾師範大 女子サッカー部コーチが部員に研究用血液提供を強制 教育部、大学に改善指示

2025/07/17 14:56
台湾師範大学(資料)
台湾師範大学(資料)

(台北中央社)台湾師範大学(台北市)で女子サッカー部のコーチを務めていた准教授が、部員の学生に対し、応じなければ単位を与えないと脅して研究用の血液を提供するよう強制した問題が、波紋を呼んでいる。教育部(教育省)は16日、同大に対し、人を対象とする研究の倫理審査の受け付けを停止し、3カ月以内に改善状況を報告するよう指示したと発表した。

問題は昨年11月、立法院(国会)教育・文化委員会で立法委員(国会議員)に取り上げられて明るみになった。准教授は国家科学・技術委員会が助成する研究プロジェクトの実施中、学生に対して14日連続で、毎日3回の採血・血液提供に応じるよう求め、従わなければ卒業に必要な単位を与えないと脅していた。准教授は現役時代の1970~90年代にかけ女子サッカーの台湾代表に選ばれた他、日本のなでしこリーグの前身「Lリーグ」でのプレー経験もある。

大学は問題の発覚後、准教授やアシスタントコーチの職務を停止した。その後開始した調査の結果を今月13日に報告。15日には、学生を傷つけ、社会に迷惑をかけたとして謝罪し、准教授に対して昇給停止などの処分を下すと発表した。

教育部はこれまでに、研究代表者の教授や共同研究者に対し、それぞれ50万台湾元(約250万円)の過料と、政府などの研究費助成の申請を1年間禁じる処分を決定をした。大学に対しては、倫理審査の受け付け停止や改善状況の報告に加え、110万元(約550万円)の過料支払いを命じた。

教育部は中央社の取材に対し、一連の出来事は研究倫理の観点から重大な欠陥があり、教員は人体研究法の規定を順守していなかったと指摘した。同部として特別チームを立ち上げ、全面的な調査や審議を行うと表明した。

また、大学側の准教授への処分について、解雇は見送られたことから、一部では軽すぎるのではないかとの意見が上がっている。

(陳至中/編集:田中宏樹)

> 中国語関連記事
私たちはあなたのプライバシーを大切にします。
当ウェブサイトは関連技術を使用し、より良い閲覧体験を提供すると同時に、ユーザーの個人情報を尊重しています。中央社のプライバシーポリシーについてはこちらをご覧ください。このウインドウを閉じると、上記の規範に同意したとみなされます。
108