(台北中央社)社会派台湾ドラマ「悪との距離2」(我們与悪的距離Ⅱ)で、ヴィック・チョウ(周渝民)は放火事件で家族を失った精神科医を演じた。1年にわたる準備を終えて迎えた撮影では満足のいく演技が披露でき、帰宅後には笑顔で就寝できたと明かした。
台湾で2019年に放送されて人気を博した「悪との距離」の第2シーズンとなる同作。前作から物語とキャストを一新し、今作では大火事をきっかけに展開する物語を通じて人と人、社会の関係を探る。ヴィックの他、シュエ・シーリン(薛仕凌)、ヤン・グイメイ(楊貴媚)、ニッキー・シエ(謝欣穎)、ユー・ズユー(于子育)が主演する。
前作から引き続きメガホンを取るリン・ジュンヤン(林君陽)監督は、ヴィックは役作りに1年以上の時間を費やしたと紹介。離島・澎湖で話される独特の台湾語の学習や精神科の実地調査を行った他、脚本家のルー・シーユエン(呂蒔媛)から渡された書籍リストも全て読み終えたという。
普段の撮影では、1日に撮影する5シーン中3シーンで満足のいく演技ができればその日は笑って眠れるというヴィック。今回の撮影では「5シーンのうち少なくとも4シーンで満足できた」と明かした。
リン監督は、今作の撮影量は同時に作品を何本も撮影しているような多さで、難易度は前作よりもはるかに高かったと話す。全く新しい物語ではあるものの、前作から引き継ぎたい命題と既視感を表現できればと期待を寄せた。
物語の中核を成す「受け止める」という精神については、作品中には受け止められる人も、見過ごされる人もいて、現実世界のリアルな状況と同様だとし、「現実はもしかしたらそれほど良くはないかもしれないけれど、一つの方向性を指し示したい。皆さんもその方向にもしかしたら少しずつ近づいていけることを願っている」と語った。
6月7日から、公共テレビ(公視)やアマゾン・プライム・ビデオなどで放送・配信開始される。アマゾン・プライム・ビデオでは世界240の国・地域で配信される。