(台北中央社)台北市の国立歴史博物館で、東京大学総合研究博物館と共同開催する特別展「台湾蘭花百姿─台北展」が8日から開かれている。両博物館が所蔵する台湾のランを題材にした絵画や資料、ランの標本などを展示し、科学と芸術の二つの視点から台湾のランを紹介する。14日に開幕記者会見が行われ、李遠(りえん)文化部長(文化相)や日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)が出席した。
展示を担当した東大総合研究博物館の寺田鮎美特任准教授は会見で、さまざまな展示品を通じて台湾の歴史的文脈を示すことが特別展のハイライトになるだろうと言及。同館から持ち込まれた展示品の多くは科学的価値と芸術的技巧を持ち合わせていると述べた。
李氏は展示について「ランを通じて発見や出会いを得る過程だ」と説明。一例として、日本統治時代には一部の文化人がランの根から母と子のつながりを想起していたとした上で、中華民国政府が台湾にやってきた後に多くの文化人が手がけたランの絵には根や土が描かれていなかったと指摘。これは文化人らが失われた国家への思いを表現するためだったと語り、ランを通じて歴史や文化を見てほしいと来館を呼びかけた。
両博物館は昨年、学術交流協定を締結。成果の一部として同展が企画され、今年2月から6月にかけては東京展が行われた。台北展は9月7日まで。