(台北中央社)画家の奈良美智さんの台湾巡回展は先月下旬に南部・屏東県での展示を終了し、次は今月末に北部・新北市金瓜石の台湾電力金水基地で開かれる。今回は台湾の若手芸術家4人の作品も併せて展示される。
奈良さんが台湾のために描いた作品「Hazy Humid Day」を10年かけて台湾で巡回展示する同展覧会。作品は2021年に初公開された。巡回展は23年に南部・高雄市を皮切りに始まり、これまでに離島・澎湖、屏東を巡った。金瓜石での展覧会は4カ所目となる。
金瓜石の会場では「Hazy Humid Day」に加え、奈良さんが今年新たに制作した絵画6点とドローイング13点が展示される。台湾巡回展での展示数としては過去最多となる。
会場となる台湾電力金水基地は古い建物を再利用し、台湾電力の使われなくなった材料で室内空間や再生家具を作り上げた施設。奈良さんは今年3月、自身のX(旧ツイッター)で同会場を紹介し、「わりと辺鄙なところにあるのだけど、ここで展示してみたいと強く思ったのでワクワクしている」とつづっていた。
会場付近の展望台からは、かつての選鉱・製錬所「十三層遺跡」を眺めることができる。主催者の一つである台湾の非政府組織(NGO)中華文化総会は、展覧会を通じて芸術と土地の対話が生まれることに期待を寄せ、作品鑑賞後には展望台から十三層遺跡を見物してほしいと呼びかけた。
展覧会「跟著朦朧潮湿的一天去金瓜石」は6月28日から9月28日まで開催される。入場には事前にオンライン予約が必要で、予約ページに関する情報は後日公開される。