東京で台湾料理店を19年経営し写真家の顔も持つ劉俊茂さんの写真展が台北市の観光スポット、中正記念堂で開かれている。15日にはオープニングセレモニーが開催され、同料理店の外観を再現した印刷物に加え、台湾鉄道弁当や台湾風フライドチキンの炸雞排(ザージーパイ)など、店の看板料理を示す宣伝板も用意された。
劉さんは南部・嘉義県の出身。兵役終了後、観光ホテルで勤務したのがきっかけとなり、1972年に来日した。2003年に東京で「劉の店」を開店。仕事の傍ら、趣味で写真撮影し、17年に初の個展を東京で開催した。19年には台湾に戻り、台中と台南で個展を開いていたが、台北での写真展開催は「劉の店」閉店後初めて。
今回の個展は「『味の橋』劉俊茂 台日情懐撮影展」と題され、劉さんが各地で撮影した数千、数万枚を超える写真から選りすぐりの作品が集結した。富士山の日の出に加え、劉さんがよく見ているという橋の風景、例えば吾妻橋や瀬戸大橋などの写真も展示されている。
この日、日本に留学経験を持つ謝長廷(しゃちょうてい)総統府資政(顧問)も会場に足を運んだ。日本での劉さんとの出会いを振り返るとともに、橋には複数の意味を持っていると指摘。「過渡」「転換点」「難関突破」など、撮影者の心境を映していると述べた。
中正記念堂1階のギャラリーで28日まで続く。