林業・自然保育署嘉義分署は台湾固有種の農地アマガエル(Zhangixalus arvalis)の生息・生育環境の保全に力を入れている。関連の取り組みを紹介する投稿文が生態保全に関する国際的プラットフォーム2カ所に掲載され、台湾の関連経験を世界に伝えることができたと同分署はアピールしている。
一つは健康な地球のための解決策を共有し学び合うためのプラットフォーム「パノラマ」。ここでは同分署が同カエルの生態保全に着手した最初の段階で、それに対する人々の関心が集まるよう、強靭(きょうじん)性評価を通じて、地域内外のコミュニティのリソースの統合に成功したこ話が紹介された。
もう一つは人間の活動によって維持・管理されている二次的自然環境における生物多様性の保全やその持続可能な利用を促進するための取り組み「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ」(IPSI)。同分署はここで、農地アマガエルと農地の依存度が高く、その生態系の保全には、農家によるタケノコの栽培を続けさせた上で、同様の取り組みに繰り返してもらえるよう、タケノコの販売による利益を農家に還元させることの必要性などを説明した。
農地アマガエルは世界で台湾にのみ分布し、中部・雲林県、南部・嘉義県、台南市の竹林や樹林帯、バナナ園、果樹園などに生息している。カエルの研究者が嘉義で発見したのを記念するため、嘉義の旧称だった諸羅樹蛙と命名されたという。

