(台北中央社)収賄などの罪で起訴されて拘置所に勾留されていた、前台北市長で野党・民衆党前主席(党首)の柯文哲(かぶんてつ)被告が8日、保釈された。午後2時半ごろ、台湾台北地方法院(地裁)前で談話を発表し、支持者らに感謝を伝えた。
保釈保証金は7000万台湾元(約3億4000万円)。電子的監視と居住制限が課される他、海外への渡航や他の被告、証人との接触が禁じられる。
柯被告は地裁が準備した車両で拘置所を出発。地裁で行動監視用端末の装着や出国制限の手続きを済ませた後、同党の黄国昌(こうこくしょう)主席(党首)や妻の陳佩琪さんと共に姿を現した。支持者のおかげで今日まで持ちこたえられたとした上で「検察官は1年も捜査して何が分かったのか。(与党の)民進党は、民衆党がこんなにも清廉潔白だとは夢にも思わなかっただろう」と述べた。
柯被告は、台北市内で建設中の複合商業施設「京華広場」を巡り、市長在任中に容積率を大幅に引き上げるなどし、事業者に便宜を図った疑いが持たれている。昨年9月5日に勾留が始まり、同12月26日に起訴された。同27日に一度は保釈されるも、その後保釈の決定取り消しや再決定が繰り返され、今年1月2日から再び勾留されていた。
▽民進党と国民党が反応
柯被告の保釈について民進党で広報を担当する呉崢氏は同日、「司法手続きを尊重する。個別の事案についてはコメントしない」と述べた。
最大野党・国民党は、立法院党団(国会議員団)の羅智強(らちきょう)書記長がフェイスブックを更新。保釈の知らせを「心からうれしく思う」とした上で、1年に及んだ不合理な勾留や高額な保証金は「人身の自由に対する深刻な侵害であるだけでなく、与党による野党迫害の動かぬ証拠でもある」とつづった。