 
                  (台北中央社)日本と台湾の学術交流の促進に寄与したとして、林成蔚(りんせいい)元北海道大学公共政策大学院教授が5日までに、日本外務省の2025年度外務大臣表彰を受賞した。日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会によれば、林氏への伝達式は後日、台北市内で行われる。
外務省は先月28日、今年度の外務大臣表彰の受賞者を発表した。台湾関連では、ノンフィクション作家の平野久美子氏も日本と台湾の相互理解の促進に貢献したとして受賞した。
林氏は2009年から約9年にわたって北海道大学大学院、常葉大学の教授として教鞭を執り、日台関係、台湾の内政などについて大学内外で講義を実施。日台関係を担う人材を育成し、日台間の学術的交流や研究者間の交流にも積極的に貢献した。台北駐日経済文化代表処代表(大使に相当)特別補佐の他、総統諮問機関「国家安全会議」諮問委員、国防部(国防省)のシンクタンク「国防安全研究院」執行長(CEO)などの要職を歴任し、台湾での対日政策などへのアドバイスを長年にわたって提供してきた。
平野氏は、1871(明治4)年に台湾南東部に漂着した宮古島民54人が台湾原住民(先住民)族パイワン族に殺害された事件の和解交流に長年にわたって尽力。同事件の他、日本統治時代に南部・屏東県の地下ダム「二峰圳」を設計した鳥居信平などに関する書籍を台日で発行している。
外務大臣表彰は、日本との友好親善関係の増進に特に顕著な功績のあった個人や団体について、その功績をたたえることなどを目的としている。
(編集:名切千絵)