(台北中央社)台湾高速鉄道(高鉄)は旅客運送に関する規則を改正し、来月から施行する。静かな車内づくりの一環として、電子機器での動画視聴や音楽聴取時にはイヤホンの使用が必要だとし、通話の際はデッキへの移動を求める。繰り返しの注意に従わない場合、運送契約を打ち切ることもあるとしている。
台湾の公共交通機関では、車内での携帯電話などの電子機器の使用に大きな制限はなく、大声でなければ通話も可能とされてきた。だが高鉄の史哲董事長(会長)は21日までに、車内では乗客に休息や読書をしてもらいたいと強調。多くの人が小声で通話するルールを守らず、イヤホンも使っていないことに頭を痛めていると語っていた。
22日に発表された改正後の規則には、電子機器に関して、マナーモードに設定するかイヤホンを使うよう求め、通話やビデオチャットをする際にはデッキに移動しなければならないことが盛り込まれた。施行は9月22日からで、高鉄は最初の3カ月間は周知期間として広報活動を強化する方針。
この動きを受け、与党・民進党の複数の立法委員(国会議員)は22日、台湾鉄路(台鉄)に対しても静かな車内づくりに向けた取り組みを進めるよう呼びかけた。
邱志偉立法委員は、「静かにすることは沈黙を強制することではなく、互いに尊重することだ」と述べ、全国で統一した公共交通機関のマナーの形成に期待を寄せた。