(台北中央社)乗組員全員が中国人のカメルーン船籍の貨物船が意図的に損傷させた疑いがある台湾北部海域の海底ケーブルについて、台湾通信大手の中華電信は6日、早ければ1月中に修復できるとの見通しを示した。
海洋委員会海巡署(海洋保安庁に相当)によれば、海底ケーブルは3日朝に損傷を受け、中華電信が同日正午ごろに同署に通報した。その後の調べで同海域を航行したカメルーン船籍の「SHUNXIN39」が損傷したとの疑いが出た。船はタンザニア籍船舶としても登録されており、船員は7人全員が中国籍、船主は香港籍だという。
中華電信は損傷したケーブルについて、台湾や日本、中国、韓国、米国を結ぶ大容量光海底ケーブル「トランス・パシフィック・エクスプレス」の一部で、日本のNTTを含む各国の通信業者が使用していると説明。国家通信伝播委員会(NCC)によれば、中華電信が初期段階でバックアップ体制を取り、通信の継続を確保した。
中華電信は、国外の海底ケーブル敷設船が修復に来るようすでに手配しており、気象条件などに問題がなければ1月末までに修復できるとした。
▽海巡署「中国のグレーゾーン作戦の可能性、排除できない」
ケーブルの損傷について海巡署は6日、真の意図は確認できないものの、船主の所在国とは異なる国に船籍を置く「便宜置籍船」で中国がグレーゾーン作戦を行った可能性を排除できないとの見方を示した。