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林宜敬デジタル発展相 強いAIエコシステムの構築に意欲/台湾

2025/09/06 19:10
中央社のインタビューに応じる林宜敬・数位発展部長
中央社のインタビューに応じる林宜敬・数位発展部長

(台北中央社)今月1日に就任した林宜敬(りんぎけい)数位発展部長(デジタル発展相)が5日までに中央社のインタビューに応じ、今後は計算力やデータ、人材、マーケティング、資金に関する五大政策ツールを通じて強いAI(人工知能)エコシステムを構築すると意欲を示した。

林部長は台湾大学情報工学科を卒業し、米ブラウン大学でコンピューターサイエンス学の博士号を取得。米IBMの研究員などを経て、2024年に同部政務次長に就任した。

林部長は自身が起業した20年余り前を振り返り、当時は書斎にパソコンを1台置けば良く、巨額の資本は不要だったと説明。だが現在はAIシステムを導入するだけで1000万台湾元(約4800万円)以上を必要とし、多くの起業家が同じ問題に直面していると指摘する。

同部では昨年、6500万元(約3億1400万円)を投じてAIコンピュートプールを設置し、AIベンチャー企業に無料で画像処理半導体(GPU)クラウドサービスを提供していると説明。設備のさらなる増強を盛り込んだ来年度予算案を立てているとし、立法院(国会)の支持に期待を寄せた。

またデータのイノベーション・利用促進に関する条例案を策定し、政府が機密や個人情報以外のデータを提供したり、中央政府や地方政府に分散したデータをまとめたりする環境整備を進めていると強調。産業ごとのベンチャービジネスマッチングの機会も設け、顧客との連絡や訪問の時間とコストの削減を図っていると語った。

さらにAIベンチャー産業支援のため要請している国家発展委員会の100億元(約483億円)の補助金についても審査段階に入っているとし、今後最適な投資対象を探す方針を示した。

黄彦男(こうげんなん)前部長が推進した政策も引き継ぐとし、法律や技術、ビジネスの側面から詐欺対策を強化する考えを示した。

また身分証や健康保険証、学生証、運転免許証などのデジタル認証情報をまとめた「台湾デジタルIDウォレット」のシステムについては、早ければ今年末にも一部サービスを開始すると語った。将来的にはコンビニなどでの小包の受け取りや薬局での処方薬の受け取りなど、生活の利便性向上が図られるとした。

(呂晏慈、趙敏雅/編集:齊藤啓介)

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