(高雄中央社)大麻約15キロを台湾に持ち込もうとしたところを空港の税関で摘発された日本人の男について、台湾高雄地方法院(地裁)は17日までに、懲役7年6月の判決を下した。
判決によれば被告は今年6月、別の日本人の男から成功報酬30万円で違法薬物の運搬を持ちかけられた。これに応じた被告は通信アプリを使って身元不明の2人と連絡を取った上で7月2日、成田空港からタイのバンコクに渡航。3日にバンコクのホテル前で身元不明の男から大麻を隠したスーツケース2つと交通費1万バーツ(約5万円)を受け取り、空港に向かった。
被告は大麻入りのスーツケースを預け入れた上で、同日夜に高雄国際空港(南部・高雄市)に到着。入境審査を受けている際、違和感を持った税関職員から荷物の検査を受け、大麻の持ち込みが発覚した。
被告は公判で罪を認めた上で、母親ががんにかかったことや自身の失業が動機となって犯行に及んだと話した。裁判官は、15キロの大麻が市中に流通すれば薬物のまん延を加速させ、治安や国民の心身の健康を害すると指摘。国際的な密輸事件であり、犯行の手口や情状はいずれも重大だとして判決を言い渡した。刑の執行後または恩赦後は台湾からの退去が命じられる。