(台北中央社)行政院院会(閣議)は18日、戦争を鼓吹する言論への行政罰を新たに盛り込んだ国家安全法改正案を決定した。外国や大陸地区などによる中華民国(台湾)への戦争発動や非平和的手段での中華民国主権の消滅を文字やイラストなどで公に鼓吹した者に対し、最大で100万台湾元(約500万円)の過料を科す。域外敵対勢力による浸透に対抗する狙いがある。
改正案には、インターネット上での戦争を鼓吹する言論や国家の安全や社会の安定を脅かす偽情報の拡散に関し、インターネットサービス事業者に閲覧制限やアカウント削除などの関連措置を求める規定も追加された。命令に従わない場合には、事業者に100万元以下の過料を科す。
また、現役軍人や公務員が故意に同法に違反した場合、刑を最大で2分の1まで加重するとした。
法改正は頼清徳(らいせいとく)総統が今年3月に打ち出した、国家安全保障や統一戦線工作の脅威に対抗するための17項目の戦略を踏まえたもので、国家安全法の他、陸海空軍刑法など軍人関連の三つの法・条例の改正案も同時に閣議決定された。
陸海空軍刑法改正案には、言動などで敵への忠誠を示した現役軍人に1年以上、7年以下の懲役、職責を全うせず敵に投降した者には最長10年の懲役を科す内容が明記された。