(新北中央社)李登輝(りとうき)元総統の逝去から5年となった30日、「PROTOTYPE:ミスター・デモクラシー2.0 デジタル李登輝」が北部・新北市の国立台湾図書館で始まった。来場者はインタラクティブ装置を通じ、AI(人工知能)技術を用いて再現した「デジタル李登輝」との対話を体験できる。
李登輝基金会と政府系シンクタンクの資訊工業策進会、台湾図書館が共同で開催した。2年間にわたって開かれる。
この日午前、開幕式が開かれ、蔡英文(さいえいぶん)前総統や陳建仁(ちんけんじん)元副総統、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の片山和之台北事務所代表(大使に相当)、李氏の次女で李登輝基金会董事長(会長)の李安妮(りあんじ)氏らが出席した。
蔡氏は、特別展は生前の李氏の思想や資料を基礎とし、李氏の選択や価値観を推論して回答を導き出していると紹介。これらの回答は人々にインスピレーションを与え、この時代の挑戦にいかにして対応するかを考える手助けになるかもしれないと述べた。
李安妮氏によれば、李登輝氏と日本社会の関係が深いことを考慮し、展示は日本語にも対応した。李安妮氏は、特別展はAIによる展示にとどまらず、民主主義の精神の伝承だとし、科学技術は記憶を再構築し、改めて考えさせるものであり、未来により多くの想像力を提供するものだと語った。また、李登輝氏を懐かしむ人にとっては再会の場に、李登輝氏についてよく知らない人にはその世界を知る機会になればと期待を寄せた。