(ハーグ中央社)北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は23日、オランダ・ハーグで記者会見し、中国による大規模な軍備拡張を念頭に、「台湾情勢を非常に懸念している」と語った。また防衛支出引き上げの重要性を強調した。
NATOは24~25日、ハーグで首脳会議を開催。加盟国の防衛支出を国内総生産(GDP)比5%に引き上げることを目指す。
ルッテ事務総長は、NATOが日本や韓国、オーストラリア、ニュージーランドなどと密接な関係を築いているとした上で、それはこれらの国が中国の大規模軍拡に強い懸念を抱いているからだと指摘。また防衛関連企業の世界トップ10には、数年前には1社も入っていなかった中国の防衛関連企業が、現在は3~5社、名を連ねているとし、中国の防衛産業生産に大きな影響を与えているとの認識を示した。
さらに、中国が台湾に対して何らかの行動を起こした場合、パートナーであるロシアが欧州で私たちを忙しくさせるだろうと指摘。これはNATO加盟国が準備を整えなければならない理由の一つだとし、だからこそ防衛支出の引き上げは非常に重要だと語った。