(台北中央社)重要インフラ施設が自然災害などで破壊された状況などを想定した官民合同実地演習が27日、南部・台南市内で開かれた。頼清徳(らいせいとく)総統が台湾社会全体の強靭(きょうじん)性強化を目的に立ち上げた「全社会防衛強靭性委員会」が行ったもので、実施は初。中央、地方政府や民間から1500人以上が参加し、本番さながらに対応した。
大規模な複合災害や権威主義の拡張による威嚇への対応力を強化するのが狙い。今回の訓練は台南・安平港で発生した原因不明の爆発で多くの負傷者が出た状況を想定し、シナリオを設けずに行われた。
演習を視察した頼清徳総統は孫子の兵法を引用し、「其の来たらざるを頼むこと無く、吾れの以て待つ有ることを頼むなり」(敵が来ないことを当てにするのでなく、いつ来てもいいような備えがあることを頼りとする)、「予防は治療に勝る」と述べ、国軍の力だけでなく、社会全体の防衛強靭性の力によって台湾の安全や平和を確保できるよう期待を寄せた。
来月から7月にかけては、離島を含む11県市で「都市(城鎮)強靭性演習」(全民防衛動員演習)が順次行われる。同演習は防空演習「万安演習」と災害救助演習「民安演習」を統合したもので、社会の強靭性のさらなる強化を図る。